産業医科大学出身者ならば話は別でしょうけども、卒後、初期研修医→産業医といったコースを辿るドクターはあまり多くないのではないでしょうか。
恐らく、専攻医を経るといった流れの中で、産業医になるといった方の方が多いように思われます。そこで今回は、臨床医から産業医へと転職する上での注意点について書いてみたいと思います。
就業規則、社内ルールをしっかりと守る
「何を当たり前のことを」と思われますが、やはりルールを守ることは重要です。意外と院内で勤務していますと、「外来、病棟業務、救急対応以外はフリー」といった時間があったりしませんか?一方、産業医ですと「就業時間中はしっかりと業務を行う」といったことが求められたりします。
また、服装一つをとっても、クールビズ期以外、男性なら「スーツにネクタイ」をしっかり身につけるといったことが求められます。
産業医ですと人事部との接点が多くなります。就業規則を重視する方が多くいる部署ですので、やはり就業規則、社内ルールをしっかりと守ることが求められます。
産業医は「主治医ではない」
臨床医をしていますと、ついつい診断・治療を…といった視点で社員さんとの関わりを考えてしまいますが、自分は「主治医ではない」ということをお忘れなく。
産業医は治療をするのではなく、あくまで「就業が可能かどうか」といった判定や、社員さんが安全に、健康に働くことができるためにはどうしたらいいのか、といった視点で社員さん、就業環境を見ていく必要があります。
臨床医から産業医への転職を行う上では、こうした考え方からして異なるといったことは認識しておく必要があると思われます。
「コミュニケーション」が重視されます
ドクターの中には、患者さんやコメディカルとのコミュニケーションがちょっと苦手、という方もおられるでしょう。院内だと「まぁ、治療さえしっかりしていれば…」と、容認されることもあるかもしれませんが、産業医ではそうはいきません。
むしろ、産業医の方から積極的に歩み寄って「コミュニケーションしましょう」といった態度が求められます。というのも、「産業医?何のためにいるの?」「相談しに行きづらいなぁ…」と思っている社員さんが多くいるのは事実で、やはり産業医側から積極的に対話姿勢を示す必要があると思います。
以上です。
ただ、企業のカラーによってもこうした部分はかなり幅があり、求められる産業医像が異なるのも事実です。もし転職する際、そうした部分を知りたいということでしたら、私も3度の転職でお世話になった人材紹介会社「リクルートドクターズキャリア[PR]」「エムスリーキャリア」の転職エージェントにご相談いただくと把握しやすいと思われます。