心房細動から起こる脳梗塞を防ぐ3つのポイント

心臓は、一定のリズムで拍動していますが、心房が細かく不規則に動いている状態を、「心房細動」と言います。心房細動が起こっていると、心臓の中で、血液がよどんで、血の塊(これを血栓と言います)ができやすくなります。

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血栓が血流に乗り、脳の血管を詰まらせて脳梗塞を起こした場合、これを「心原性脳梗塞」と言います。心房細動は、こうした脳梗塞を起こすきっかけとなりえます。心房細動が原因で起こる脳梗塞は重症となりやすく、半分以上の方が命を落とし、麻痺が残って、要介護状態に陥りやすいと言われています。

今回、心房細動から引き起こされる脳梗塞を防ぐためのポイントとしては、以下の様なものがあります。

1) 年に1回は心電図をとる

心房細動で脳梗塞を起こす人の40%は、「診断されていない、かつ無症状の人」だそうです。健康診断などで、まずは心電図を年に1回はとることで、心房細動があるかどうか判断することが重要であると考えられます。

やはり無症状である場合、「症状がないから大丈夫」と放置されがちです。健康診断で指摘された場合は、ぜひ早めに医療機関で相談しましょう。

2) リスク因子をしっかりと把握

心房細動患者さんの脳梗塞リスクを決める要因としては、1) 高血圧、2) 年齢が75歳以上、3) 糖尿病、4) 心不全、5) 脳梗塞の既往などがあります。

たとえば、血圧が高く、なおかつ75歳以上、糖尿病である場合、3つの項目が該当し、この値を2倍すると、「6」となり、年間 6 %の割合で脳梗塞になると考えられます(これをCHADS2スコアと言います)。

やはり、高血圧、糖尿病、肥満などの生活習慣病が問題となることが分かると思います。他には、喫煙なども動脈硬化を進行させ、脳梗塞の原因となりえます。

3) 抗凝固療法は自己判断でやめない

もし心房細動と診断され、医師からワーファリンなどの抗凝固薬を開始するように医師から指示された場合、自己判断でやめることはとても危険です。

他にも、プラザキサ、イグザレルト、エリキュース、リクシアナなどがありますが、しっかりと続けることが重要です。また、場合によっては、効きすぎてしまうこともあるので、定期的な通院が重要です。

以上です。心房細動は無症状でも起こりえます。ぜひとも早めに発見し、脳梗塞が起こることを事前に防ぎましょう。

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