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【非精神科医向け】抗うつ薬の分かりやすい説明

      2015/06/16

医師向け情報サイトであるm3.comにて、その掲示板に「抗うつ薬番付(私家版)」というスレッドが立てられていました。

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精神科出身の先生であれば、苦労しないのでしょうが、私のような内科出身だと、やはり最初は抗うつ薬などの名前、具体的な作用・副作用が捉えづらいところです。

そこで、参考となるこちらの「抗うつ薬番付表」を紹介させていただこうと思いました。表にするため、順番などは変更しております。

SSRI ジェイゾロフト(セルトラリン) 投与量に応じて線形的に血中濃度が増加し、消化器などの副作用も比較的でにくく認容性が高い。いろいろ気にしなくさす、通称「まいっかゾロフト」基本、まじめな人にしかつかってはいけない。心気的な高齢者などに使いやすい。セロトニン系の作用が主だが多少ノルアドレナリン系への作用もあるらしい。バランスがとれた薬で添付文書どおり25mgから漸増する方法なら失敗しにくいが効果があるのは50mg以上からでややかったるい。効果のほうもマイルドで最高容量の100mgまで使ってもパンチ不足な感はある。たまに高齢者や自閉スペクトラムの方では25mgでも良い場合もある。広く第一選択としておすすめできる。
レクサプロ(エスシタロプラム) 1錠目から治療域に達してお手軽。ピュアなSSRIで不安やパニックのあるうつ病に効く。「新型パキシル」という感じ。多少心毒性(QT延長)に注意かも。マイナーメーカーなのでプロモーションは弱いが、薬の実力で今後は第一選択になる可能性。
デプロメール / ルボックス(フルボキサミン) SYPがらみの薬物相互作用が多くてめんどくさい。(ロゼレムが併用禁忌など)用量用法での最大量が150mgだが適宜増減があるので慣習的に最大300mgまで使うことも。抗うつ薬というより強迫性障害や摂食障害の薬として使っている。低力価で刻みやすい。ジェネリックがあり安価。処方する度に「副作用に勃起障害があるのにフルボッキ」とかいっていたバカ研修医をおもい出す。
パキシル(パロキセチン) 新世代の抗うつ薬として一世を風靡した薬で不安や強迫、パニック発作に強く、抗うつ作用もわりとある。強迫性障害には50mgまで使える。まいっか→どうでもよくする薬。しかし血中濃度が投与量に応じて非線形に増え、初期の増量時の副作用(消化器系、感覚異常)や減量時の離脱症状が出やすく、やめにくい。よって永遠にパキシル界の住人になる(神田橋先生)。やめるために5mg錠も発売された。まじめすぎる、心配性の人によい。副作用を逆手にとった性的問題行動への応用例はある。ジェネリックも多社から発売され最近PTSDへの適応をとったりCR錠(徐放製剤)を発売するも売上激減しているらしい。いまとなっては出番は少ない薬。
SNRI サインバルタ(デュロキセチン) セロトニンとノルアドレナリンのデュアルアクションで痛みや意欲低下によい。日本初の本格的なSNRIの触れ込み。「新型アモキサン」は言い過ぎかな。末梢神経障害、脊柱管狭窄症、線維筋痛症、糖尿病性神経障害などの痛みには確かに効く。(リリカと併用になるケースが多い)NAの交感神経刺激作用で排尿障害など高齢男性には使いづらい。また脈があがるかも。
トレドミン(ミルナシプラン) セロトニン系とノルアドレナリン系のデュアルアクションで使いやすい。ジェネリックもあり安価。あまりクセがなく、抗鬱作用もそこそこあるので使いやすいが、高齢者は60mgまでしか使えないのはやや力不足に感じるときもある。中高年の女性などにはなかなか使いやすい。交感神経α受容体刺激作用で男性では排尿障害もでるので高齢男性にはやめておく。
NaSSA リフレックス / レメロン(ミルタザピン) 四環系のテトラミドと一分子違い。不眠や食思不振などのあるケースには最初からいろいろ効いてお得。ただ飲み始め数日は眠いので予告しておく必要はある。高齢者は半錠(7.5mg)くらいから漸増するのが無難。メカニズムの違う他のSSRIやSNRIと併用療法も単剤でぱっとしない場合には推奨されている。無難に使えるとおもっていたが、わりと悪夢、たまにアカシジア様症状などが出てあわない人にはとことんあわない。痙攣発作を2例ほど経験。痙攣の既往、器質的障害、アルコール依存症などの場合には注意。
四環系 ルジオミール(マプロチリン) SSRI登場以前の西の横綱。四環系で抗鬱効果はSSRIやSNRIを上回り信頼できる「癒しの抗うつ薬」。寝る前一回投与でもよく便利。150mgくらいまでは効果があるまで漸増。ときどき口渇などの副作用も。体重増加も多い。「こじれたケース」「寂しい感じのする高齢者(神田橋先生)」に少量から漸増してつかうと効く。わりとお気に入り。SU剤併用で低血糖をおこしうるなどDMでは使いづらい。
三環系 アモキサン(アモキサピン) SSRI登場以前の東の横綱。パンチのほしい時にぐいぐいと切れ味よく持ち上げるパワーはあるが、腰折れする印象。それゆえ軽自動車といわれることも。抗コリン作用あり口渇、便秘などもしばしばある。双極性障害につかうと躁転の危険がある。大量服薬の恐れのある人には出さない。かるいD2遮断作用があり(はじめからドグマチールを併用しているような印象)、錐体外路症状が出る人も。妄想など精神病症状をともなうような重症なうつには第一選択。「メジャーっぽい抗うつ薬」
アナフラニール(クロミプラミン) 「昔のキング」持ち上げるパワーもあるし持続もするが、抗コリン作用あり口渇や排尿障害、便秘などは必発の印象。かつては副作用がつらくても我慢して飲むのがうつ病治療だった。心毒性には注意が必要だが、点滴静注薬はここぞという時に持ち上げてくれ、亜昏迷などでmECTができない場合などに即効性あり。大量服薬の恐れのある人には出さない。
トリプタノール(アミトリプチン) 抗うつ効果は最強だがドロドロと眠くなり、口渇や排尿障害、便秘、食欲増加、体重増加などの副作用も最強。鎮痛補助としても使われる。増量していくときは心毒性に注意。大量服薬すると心毒性で本当に死なれる。また双極性障害に使うと躁転の危険大。弟分に活性代謝物のノリトレン(ノルトリプチン)がありNA系への効果が強い。
その他 デジレル / レスリン(トラゾドン) 不安や焦燥のある人に眠剤がわりに使う。本格的なうつ病には力不足だがまず出す薬としては躁転の危険もなく安全に使える。焦りや不安は解消するが、増量しても気分や意欲を持ち上げる力はあまりない。精神科以外の医師の第一選択としておすすめと言ってた精神科医がいた。自称うつ病によい。
エビリファイ(アリピプラゾール) 以前より抗うつ薬の補助としての使い方はされていたが正式にSSRIやSNRIの増強療法で適応をとった。3mgから6mgくらいまで。D3レセプターに直接働きドパミンライクな働きをするらしい。季節性のうつ病や双極性障害が疑われる人などに。副作用は少ないとの触れ込みだが、少量賦活、大量鎮静で用量調節が難しく気むずかしい薬。合う人にはとっても合うがアカシジア様症状も高率に出現し、なかなか使いづらい。素人にはオススメしない。
ドグマチール / アビリット(スルピリド) ドパミンD2遮断薬であるが、少量使うと意欲や食欲がでる。(D2遮断することでドパミン量が増えD3を刺激→NA増加する?)4,5日で効果あり。本格的な抗うつ薬としては力不足だが神経症や更年期障害、高齢者の食思不振などに上手に使えると便利な薬。ただ高齢者に調子に乗って増やしていると錐体外路症状がでてパーキンソンみたいになる(100mg以上で注意)ので注意(転倒→骨折や誤嚥→肺炎)など。太るしプロラクチン上昇で胸が張ったり生理が止まったりもするので若い女性には使いづらい。

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