「救急断らない病院化」がさっそく中断されたのは当然の結果だ

昨年8月、千葉県は、搬送先が決まらない救急患者を必ず受け入れる病院を事前に指定し、代わりに経費を補助する事業を開始しており、3病院が名乗りを上げたようですが、さっそく中断されているそうです。

というのも、案の定と言いますか、対象病院からの「搬送集中」の訴えで停止したとのこと。そもそも、「専用の病床を確保するための人件費などの補助に3病院で計約3,400万円を予算計上した」とのことなので、「ああ、当然だな」と思った次第です。

1病院あたり約1,100万円、医師1人を追加で雇うにも足りない額で、何が一体できるというのでしょうか。たとえ医師に当直手当を割増したところで、それも微々たるもの。負担は激増し、「やってられない」という帰結になるでしょうね。

県はまた再開させたいようですが、同じような支援では手を挙げるようなところはないでしょう。「一桁、額を間違ってますよ」と言われてしまうのがオチでしょう。

「なんでも搬送する。全部診ろ」というのがそもそも無理筋で、やはり患者の割り振りの仕方を再考し、その上で必要があれば当直医師の拡充が必要になってくるという話でしょう。そのためには、「1病院、約1,100万円でなんとかせぇ」では無理です。

「救急搬送のたらい回しを防ぐ」ということが目的なのでしょうから、そもそもその目的達成のために「なんでも救急搬送受け入れる病院を作ればいいじゃん」という解決策が間違っているということでしょう。そこからまず議論し直して、さらには予算の見積もりに関しても考え直す必要があると思われます。

タイトルとURLをコピーしました