リクルートドクターズキャリア[PR]に掲載されていたのですが、やや変わり種で興味深い「産業医」の科目での求人が出されていましたので、今回ご紹介したいと思います。
東京都世田谷区の企業で、今回、企業内診療所を新規立ち上げになられたそうです。そこで、週4~5日勤務するようですが、そこでの診療内容は「専門的な診察というよりは、従業員の相談に乗っていただきコンサルいただくことを想定。診療枠は選考の中でご相談の上」とのことでした。
恐らくですが、これは産業医としての「健康相談」の面談のような業務なのではないか、と思われます。
産業医の「健康相談」
産業医への相談としては、様々な内容がありますし、いろんな経路で持ち込まれることがあります。
「最近、眠れないし、気分が優れないことが多い。食欲も減ってしまった…」と、ご自身で自覚され、どうしたらいいのかと相談されることもあります。
また、そうした部下のことを「最近、休みがちだし、遅刻も多い…メンタル不調じゃないか?」などと心配した上司が、「産業医に相談してきたらどうか」と提案をすることもありますし、あるいは困った上司が人事側に相談し、人事経由で産業医の方に相談の話がくる、ということもあります。
これらをひっくるめて「健康相談」なんて呼んでいるわけですが、求人内容を見た限り、こうした相談を診療所でやって欲しいということのようです。
産業医?クリニック勤務医師?
「健康相談」を主体とするという業務内容からしますと、産業医の業務を一部担うということのようにも考えられます。いわば、産業医の業務を「一部アウトソーシング」した仕事を請け負うというようなことでしょうか。
産業医募集ということではないので、あくまで「クリニック勤務医師」を募集されているという印象です。
そもそも産業医の場合は「これで勤務させてちゃマズイですよ。休ませましょう」などと企業側に勧告することもできる「勧告権」を持っているわけですが、クリニック勤務医師ですと、これがないわけです。
労働安全衛生法第13条3項及び4項
・3項 産業医は、労働者の健康を確保するため必要があると認めるときは、事業者に対し、労働者の健康管理等について必要な勧告をすることができる。・4項 事業者は、前項の勧告を受けたときは、これを尊重しなければならない。
このあたりをどう捉えるか、ということですが、「産業医をやりたいというよりは、一般外来や健康相談をメインにしたい」という方にとっては、年収面でも悪くない(1000万円~1300万円)ですし、エントリーする価値があるのかな、と思われます。
産業医がすでに在籍しているなら(しているでしょうけど)、産業医との仕事の「住み分け」も気になるところです。どのような運用となっていくのか純粋に興味のあるところですね。
もしご興味がありましたら、リクルートドクターズキャリア[PR]に求人が掲載中ですので、ご登録の上、「JOB508683」の求人番号でお問い合わせしてみてはいかがでしょうか。