「経験」以上に、企業が産業医へ求めていることとは-「産業医未経験」でも転職できる理由

産業医の求人情報を見ることが、私は好きでよく調べているわけですが、その中で「応募するドクターに求めること」といったところのコメントが興味深いと感じています。

「臨床経験○年以上」「産業医経験者優遇」「産業医経験○年以上」といった条件でありますと、想像しやすいものであると思われます。ですが、実はこうした「経験」よりも、企業が重視していることがあります。

果たして、それはなんでしょうか?そこに実は、「産業医未経験」であっても求人に応募し、採用される鍵があったりします。今回の記事では、その「経験」よりも企業が重視するポイントについて書いてみたいと思います。

企業が求める産業医像

リクルートドクターズキャリア[PR]には常時と言っていいくらい産業医求人が掲載されているわけですが、その産業医求人を見ておりますと、求める産業医像として、以下のようなことが書かれています。

・予防医学や公衆衛生に関心があり、温和で協調性のある方を募集しています。産業医経験はむしろ必須ではなく、人物重視です。

・臨床経験3年以上、産業医経験1年程度(非常勤など嘱託産業医経験も含む)、産業医未経験の方も学ぶ意欲や積極的な姿勢で業務にあたっていただける方はご相談ください。協調性を持ち合わせ、主体的にかつ積極的に産業保健活動を進めることができる方。

・社員が健康で意欲を持って働き続けられることを現場、会社、医療スタッフと連携 して、産業医の立場から前向きに取り組んでいただける方・産業医資格取得者・経験者歓迎します。

実はこうしたコメントは結構な確率で産業医求人に書かれていたりします。これら共通点を考えますと、企業は以下のような産業医像を求めていると分かると思います。

「協調性」を重視する理由

全てのドクターがそうというわけではありませんが、「医師中心」の勤務体制に慣れてしまい、ついつい自分本位となってしまっているドクターというのも中にはいらっしゃると思います。

ですが、産業医となりますとなかなかそうはいかず、保健師や人事労務担当者などの社員の意見へしっかりと耳を傾ける必要があります。「自分の意見は絶対」とお考えになっているようなドクターですと、なかなか産業医としては立ち行かない可能性が高いと思います。

自分本位ではなく、「会社に溶け込み、スタッフたちと協調して勤務する」という姿勢がやはり重視されます。そのため、「協調性があるか否か」というのは企業も非常に重視するポイントであると思われます。

「産業医」という仕事に興味・意欲がある

産業医になることを希望される方の中には、「臨床医と違って楽だから。だって定時で帰れるし、当直もないんでしょ?」という方もおられます。中には、採用面接でそのようなことをおっしゃるツワモノもいるとのことです。

ですが、そのような志望動機をお持ちの方を、企業は求めているでしょうか?答えはNOだと思います。企業、社員のためにフットワーク軽く動いてくれて、しっかりと「働いてくれる」ことを企業は望んでいます。

結局はやはり、産業医という仕事や産業衛生分野に興味・関心があり、「だから産業医になりたい」という方を希望しているのだと思います。

コミュニケーションを重視できる

産業医の中には、「社員と面談してもやりっぱなし」というような方もおられ、企業は「フィードバックしてくれないの?」とやきもきしているということもあったりします。

そうなりますと、「面談してもらう意味あるの?」と思ってしまうと思います。ひいては、「この産業医にいてもらう意味はあるのだろうか?」と思い、「来年は契約更新しません」と、クビ宣告される可能性だってあります。

たとえば社員がどのようなことに困っていて、どのようなことを希望しているのかといった意見を吸い上げ、それを現場や人事労務担当者へとフィードバックすること、それもまた重要な産業医の役回りです。

また、産業医の手の届いていないところを、保健師がフォローしてくれることもあります。そのような保健師とのやりとり、コミュニケーションもまたしっかりと行う必要があります。

こうした意味で、「コミュニケーション」をとることは産業医にとって非常に重要なポイントであったりします。

以上です。
上記のようなことを、「産業医になりたいと思っているけど、はたしてできるだろうか…」と思われるかもしれませんが、産業医という仕事に興味があり、なおかつ「社員さんのために働きたい」と思っておられれば、しっかりとできることだと思います。

もし「産業医への転職」をご希望ということでしたら、まずはリクルートドクターズキャリア[PR]にご登録いただき、求人情報についてお問い合わせいただくことをオススメします。

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