部下の話を聞かない上司は論外、だけど「話を聞くだけ」の上司も害悪だと思う理由【産業医マニュアル】

昨今、管理職を対象に「部下とどう接すればいいのか」といった講習を行っているような企業は多いと思います。そこでラインケアとは何たるものか、という話をしているのではないでしょうか。

そうした講習の中で、「傾聴」が一つのキーワードとなり、「とりあえず部下の話は親身になって聞きましょう」と教えられるため、「はなから話を聞かない上司」というのは少なくなっているように思います。

ですが、そこで「話を聞くだけ」で終わってしまっているのは問題であると思っています。というのも、最近面談を行った、メンタル疾患で休職することになった社員さんに話を伺っていたところ、「上司には3ヶ月前から眠れない、仕事のことばかり考えてしまっていて憂鬱だと相談していたのですが…」とのこと。

その話の中で、上司の反応はというと、「うん、そうか。大変だな」と言い、仕事上のアドバイスを少々行った後、「また困ったことがあったら相談して」と言って終わったとのこと。

「え?不眠症状や、抑うつ症状については、なんの対処もしないの?産業医に相談を勧めるとかしないわけ?」と、私としては思うわけですが、そこはグッと言葉を飲み込んで面談を行っていました。

受診を勧めるなり、産業医に相談するなり、業務負荷軽減を図ったりと、できることはあるはずですが、どうやら「話を聞くだけ上司」というのは多いらしく、なんら手立てを打たずにそのままにしている、というケースは結構あったりします。

ですので、部下の話を聞かない上司は論外、だけど「話を聞くだけ」の上司も害悪とぜひ思っていただき、「話は聞いた。さて、次はどうする…?」と思っていただき、その一つの選択肢として、産業医への相談も視野に入れていただければ幸いです。

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