産業医として社員の「実は…辞めようと思ってるんです」という発言にどう対処すべきか【産業医マニュアル】

産業医をしておりますと、面談で社員さんに「実は…辞めようと思ってるんです」と言われることがあります。

休業中の社員さんや、勤務をしながらも退職を考えている社員さんもいます。また、転職活動をしていて、すでに内定をもらっている社員さんもいれば、「転職は、一旦辞めてから考えたいと思っています」という社員さんもいます。

では、産業医として社員さんの「辞めようと思っている」という告白をどう対処すべきかということですが、私としてはまず傾聴を行い、

・転職活動を既にしているのか?

・すでに次の勤務先が決まっているのか?決まっているとすれば、いつ入職予定なのか?

・休職中であれば、復帰するつもりはあるのか?

といったことを確認しています。その上で今後の対応を決めていくわけですが、次が決まっていない段階で、なおかつメンタル疾患の病状がさほど回復していない場合は、「辞めようと思っている」といった場合は、やはり一度は「病状回復するまで、大きな決断は先延ばしにしましょう」と止めると思います。

ただ、次が決まっているようでしたら、それは止めることはなく、「残りの在籍期間中はどうしましょうか」といった話になっていくのではないでしょうか。

あと、「ただ愚痴として話を聴いて欲しい」という場合もありますので、その時には(上司によるパワハラなどがない限り)愚痴に付き合うだけ、といったことをしております。

また、休職中のまま「復職はせずに退職します」といった場合だと、企業側にその情報をいつ伝えるかといった問題もありますが、その点はやはり本人に「いつ企業へ伝えるつもりですか?」と訊いて、本人の意向に沿う形が多いと思われます。

ただ、いずれの場合に関しても、現職で「在籍されている間は、こちらとしましては出来得る限りのサポートを行います」とお伝えし、社員さんに寄り添う姿勢は変わらないというメッセージは伝えるようにしています。

また退職者が1人出そうな雲行きですが、上記のような形で私としましては送り出そうと思っております。

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