産業医未経験で「いきなり常勤は…」と迷う医師にオススメな、嘱託産業医を経験する方法と求人の見つけ方

産業医になろうとお考えになっている際、基本的には「常勤産業医に転職」ということが念頭にあると思われます。しかしながら、「いきなり常勤では…」とお悩みになられる方も多いのではないでしょうか。

実際、私もそうでした。後期研修医の時、ドロップアウトする形で病院を辞めた私ですらそうですから、現役でバリバリ仕事をされている方はよりそう思うのではないでしょうか。

そこで今回提案させていただく方法は、「非常勤バイトを経験し、その後、常勤産業医として転職する」というものです。実は、この方法にもメリットがあり、今回の記事でご紹介させていただきたいと思います。

転職活動での「一社目の壁」

未経験のドクターが産業医になろうとした場合、「一社目の壁」と言われるものがあります。これは、企業側が産業医を採用する際、「未経験者よりも、産業医経験者を」と考えることが多いため、「転職活動をしていて、なかなか内定がもらえない…」ということもあることを指します。

ただ、企業の中には複数の産業医がすでに在籍していて、「未経験者であっても、他の産業医がいて指導できるから大丈夫ですよ」というところもあります。

「未経験者だから産業医になれない」なんてことはありませんが、経験者よりはやや不利な状況であるということはあると思います。

これは、まず産業医未経験者が転職活動をしていて、求人票を見る段階で気づくと思います。「経験者優遇」「経験者が望ましい」といった一文があり、エントリーしたとしても書類選考の段階で落とされたり、あるいは面接をしたとしても内定が難しい企業も中にはあります。

これが、臨床医が未経験のまま産業医になろうとして「転職活動が難しい」と感じるまず最初のポイントで、「一社目の壁」と呼ばれる所以ゆえんです。

キャリアにおける「いきなり常勤で産業医」の難しさ

私のように、「もう臨床医は向いていないからやめよう」と思っているならいざ知らず、「勤務医は別に続けてもいいけど、産業医という仕事に興味がある」というような状態ですと、常勤産業医になることは結構ハードルが高いことだと思います。

もちろん、非常勤外来のバイトなどを続けることで、「臨床医として働く」ことも続けることはできますが(中にはバイトNGの会社もありますが、それは除きます)、「いきなり常勤で産業医」は一般的には決断するのが難しいことだと思います。

上記のような「一社目の壁」で不利になっていることに加えて、このような今後のキャリアを考える上での難しさもあると思います。

「まず嘱託産業医」という選択

そこで、まずは「月1~2回の嘱託産業医」といった求人に応募してみるのも手であると思います。企業側としても、「常勤産業医を雇う」のと「嘱託産業医を雇う」では大分異なり、「未経験でも、嘱託産業医ならOK」と考えやすいと思います。

そもそも雇用契約からして違いますので、嘱託産業医の場合は「ダメなら次」と考えやすいという側面もあります。その分、未経験でも採用はされやすいと思われます。

一方、ドクター側からしても、メリットがあります。「勤務医を続けながら産業医でバイト」ということもできるわけで、「まずはお試しでやってみて、より興味が湧いてやってみたいと思ったら常勤で」とも考えやすいと思われます。

また、嘱託産業医であっても「産業医として経験がある」と言えるわけで、今度、常勤産業医として転職活動をする際に、面接で「産業医経験は、嘱託ですがあります。そこでは、このような業務を行い…」と答えることができます。

ですので、まずは「嘱託産業医から」始めることも、私としては十分にアリだと思いますし、常勤産業医のステップとしてはやっておいて損はないと思います。実際、知り合いの女医さんで、出産・育児を期に勤務医から産業医になる上で、「まずは嘱託で」という方法を行っておられました。

嘱託産業医バイトの探し方

私がバイト探しで利用させていただいているのが、「エムスリーキャリア」と、「リクルートドクターズキャリア[PR]」です。大手で求人数も多く、対応がしっかりしているので安心してバイト選び・応募ができると思います。

エムスリーキャリアでの嘱託産業医の選び方としては、登録後、非常勤のタブを選択します。そして、「勤務地」でご自宅近くのエリアを選択しましょう。

次に、「詳細な検索条件を表示」を選択し、その中の「こだわり条件」の中で「産業医」のチェックボックスを押します。

これで「非常勤」かつ「産業医」の求人を検索することができるわけです。まずはこのようにしてみて、嘱託産業医の求人を検索してみてはいかがでしょうか。

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