「前の職場はよかった」と記憶を美化する中途入社社員が溜め込むストレスへの対処法【産業医マニュアル】

高ストレス者面談でお話する機会のあった社員で、何かにつけて「前の職場はよかった」と記憶を美化している中途入社の方がいました。

「なら、なんで辞めたのよ」というツッコミを思わず入れたくなりますが、とにかく前職と比較して現在の職場をこき下ろす、ということをされておられました。たしかに、現在の職場の問題点はあるようですが、それでも前職と比べてそれほど大きな違いはなさそうです。

やはり記憶の中で美化されてしまっているのかな、と思わざるを得ません。中途社員の中には、こうした「前の職場はよかった」という思いや、前職と現職での仕事の仕方の違いなどでの戸惑いなどで、ストレスを溜め込んでしまっていることもあるようです。

そうしたことについては、中途入社社員で直属上司はケアしなければならない点であるように思われます。一方で、その社員のために環境を大きく変える、仕事の仕方を大きく変えるということは困難です。やはり「慣れてもらう」よりほかはないように思います。

キューブラー・ロスの「死の受容」ではないですが、中途入社後の心境の変化についても、「否認」「反発」「怒り」「抑うつ」といった段階があるのかもしれませんね。ただ、その先に「受容」があるとは思いますので、それまでのトレーニング期間では、その社員を気にかけたり、悩みなどを聞くといった周りの対応はある程度必要なのかもしれませんね。

産業医としては、辛抱強く耳を傾けてどのような点に不満があるのかを聞き出し、現場へフィードバックしつつ、現職の職場環境への適応を待つという対応や、不眠症状・抑うつ症状などが現れるようであれば必要に応じて精神科受診を勧めるといった必要かもしれませんね。

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私は初期研修を終了後、同じ施設で内科医として後期研修医となりました。後期研修4年目、業務によるストレスで不眠症状が悪化するようになり、体調を崩すようになってしまいました。体調不良に加え、医長との関係性悪化もあって退職しています。

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