認定産業医の資格を持っていて、「ただ単に、5年ごとに更新しているのはもったいない。勤務医は続けるけど、産業医のバイトでもやってみようか」と思ったことのある方はあるのではないでしょうか。
「転ばぬ先の杖」的に、何かあった時のために…と思いつつ認定産業医になったものの、その杖を使わない、という方も多いかと思われます。「使わにゃ損」と思う気持ちも分かります。

そこで今回、「嘱託産業医のバイトって、実際のところどうなの?」ということについて書いてみたいと思います。
パターン1 「一回◯万円」企業の場合
常時50人以上の労働者を使用する全ての事業場では、「産業医の選任」が必要になります。つまり、企業側からすれば、「産業医を雇わなければならない」というわけです。
産業医の法定業務として、職場巡視や安全衛生委員会への出席、健診判定業務、面接指導などがあるわけですが、「とりあえず選任させてもらって、(最低限の)法定業務さえやってくれればいいから」といったパターンがこちらとなります。
業務内容として、面談はほとんどなく「とりあえず安全衛生委員会の出席と、職場巡視だけ形だけやってくれればいいから」といった企業が多いのが実情です(4月、10月など、健診シーズンでは健診判定業務もあることも)。そのため、「一回◯万円、月1回来て巡視と安全衛生委員会の出席だけお願いね」というのがこのパターンです(委員会も、成立要件を満たさずに担当者とマンツーマンというところも多くあったりします…)。
基本的には1~2万円というところが、このパターンでは多いです。オフィスの立地にもよって、やはり訪問しやすいところは報酬も低め、やや訪問しづらいところは高めに設定されているように思います。ただ、滞在時間は30分~1時間と、訪問しやすければコスパは良いというバイトになるかと思われます。
パターン2 「時給1万円前後」の企業の場合
職場巡視や安全衛生委員会だけではなく、長時間勤務者の面談もある程度必要、場合によってはメンタル不調者なども出て面談が必要といった企業の場合、「時給1万円」といった形で提示されることもあります。
面談は訪問時に一気にやったり、訪問時ではなくても、最近ではビデオ会議ツール(teamsやZOOMなど)を使ったオンライン面談で行ったりします(面談後は、報告書をメール送信するといった形)。
面談の数にも波があり、「ほとんどない時期」というのもあったりします。ただ、繁忙期で長時間勤務者が多めに出る時もある、といった場合、こうした時給での提示というパターンもあるのかな、という印象です。基本はパターン1と同様で、それに「ある程度、面談もある」といった形でしょうか。
パターン3 「定額◯万円」の企業の場合
長時間勤務者の面談や、メンタル不調者の面談がある程度の数あり、「毎月しっかりとやってもらいたい」「産業医に相談、問い合わせをする機会も比較的多い」というような場合、毎月定額で報酬が払われるというパターンもあります。
毎月4~5万円程度で募集されるケースが比較的多いですが、これも「産業医による」わけです(ピンキリ)。しかしながら、求人紹介会社経由ですと、おおよそ毎月4~5万円ということが多いと思われます。比較的大きめな企業で、その支社や子会社の産業医になる、といった形が多いように思います。
パターン3の場合は、やはり面談のボリュームもさることながら、「職場の困った」を解決するトラブルシューティング能力などを求められることもあるので、ある程度の産業医としての経験が求められる、といったこともあります。基本的に、問い合わせにもすぐ応じてくれるというような、「レスポンスの早さ」も求められる傾向にあります(忙しい勤務医の方だと敬遠されることも)。
以上です。
難易度的には、パターン1<パターン2<パターン3といったところでしょうか。しかしながら、これも産業医としての経験による、というところであり、慣れたら別の求人にチャレンジ、ということもできると思います。
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