医師の転職で、エージェントから紹介される「求人票」には勤務日数・休日・残業、当直回数、給与、福利厚生などの基本的な重要事項が書かれています。
転職活動においては、やはりそれらの情報頼りというところがあり、「こっちに方が年収が高い」「こっちの方が当直回数が少ない」といったことで比較をして「よし、こちらの病院に応募してみよう」と決めるわけです。
ですが、その一方で求人票には掲載されていない重要な情報も存在します。今回は、チェックすべきそうした情報について書いてみたいと思います。
院長に関連する情報
やはりトップというのは、その病院で大きな影響力を及ぼすわけです。ですので、院長に関する情報というのは十分に調べておくことが重要です。
・院長の出身大学、医局→どこからの医局派遣医師が多いのか、学閥は存在するのかなど、これらの環境によっては「働きやすさ」に関連してくる可能性があります。
・院長の専門科目→病床や科目など、院長の専門によって変更になる可能性があります。
院長の代替わりで、これらがガラリと変わることもあったりします。実際、内科系医師の院長から外科系医師の院長に代わり、急に手術施設の拡充・外科系医師の拡充があったりする場合もあります。
人員体制について
自分が所属する科についての情報も重要です。特に、その科でどのような人がトップなのか、医師の所属人数はどの程度なのか、キャリアは離れすぎていないかといったことは少なくとも調べておく必要はあると思います。
やはり近しい年代・キャリアの人がいると働きやすくもなるでしょうし、「ずっと下っ端でなかなか下が入ってこない」というのもまた辛いポイントでしょう。上記のことにも関わってきますが、学閥があって「肩身の狭い思い」をしてしまうなんてこともありますので、その点もチェックしておいた方がいいです。
一方で、「医師の入れ替わりが激しい、数年単位で次々に医師が代わっている」ということになりますと、何か働きづらい要因があるのでは、と疑ってかかった方がいいかもしれません。
安定性について
財務諸表などの知識があって見ることができれば「安定性」についても分かるとは思いますが、私を含め一般のドクターがそうした知識を持っているとも考えづらいでしょうし、「見せて」「いいですよ」ということにもならないでしょう。
そこで、安定性を調べる方法としては、「急激なスタッフの人員削減がないか」「最近、次々にドクターが辞めていないか(待遇悪化で退職)」「空きベッド数や外来の患者数はどうか」などをチェックすることで、ある程度はあたりをつけることはできると思います。
以上です。
こうした「求人票には掲載されない情報」については、ある程度、リクルートドクターズキャリア[PR]や、エムスリーキャリアなどの転職エージェントに話を聞くと、教えてくれたりします。
実際私が転職活動をしていた時期に質問したところ、「この病院の院長は…」「この科のトップの方は…」など、教えてくれました。やはりこうした情報は入職後の働きやすさに直結すると思いますので、ぜひあらかじめ確認しておきましょう。