東京都港区に本社のある企業が、産業医の求人を掲載していました。応募資格の条件を見ますと、「産業医資格」「産業医経験3年以上(専属、嘱託問わず)」という記載がある中で、「35歳以上50歳以下」と年齢制限が併記されていました。
この年齢制限、実はあえて記載されていなくても、採用時に企業側が気にするところでもあります。年齢不問かと思いきや、「採用するならこの年齢までの産業医」と、書類選考や採用面接の段階で、採用基準としているということですね。
では、なぜ産業医の求人でこのような年齢制限があるのか、今回はその理由について書いてみたいと思います。
統括産業医より年上を避けたい
統括産業医がいる場合、それよりも年上の産業医が入職したりしますと、いわゆる「年上の部下」となるわけで、統括産業医自体が「やりづらい」と考える可能性があります。
そのため、「統括産業医よりは年下を選びたい」ということで、採用時に年齢制限を設けることがあったりします。
ここらへん、既に入職している産業医とのバランスなどを人事側はよく考えており、性別も偏りがないようになどと考えることもあったりします。
入職後、できるだけ長く勤務してもらいたい
産業医の採用にも当然コストがかかっているわけで、できれば「長く働いてもらいたい」というのが企業側の希望です。
そのため、あまり高齢の産業医を採用してしまいますと、なかなか「長く働いてくれる」ということが難しくなってしまいます(一応、定年となる年齢制限もあったりします)。
医師としての経験年数を重視
企業としても、臨床経験や産業医経験をある程度積んだ医師を採用したいという希望がある場合、「最低10年は経験年数を重ねて欲しい」となったりするわけです。
そうなりますと、「年齢35歳以上」といった制限を設けることになります。そのため、下限の年齢を定めているところもあったりするわけです。
社員の平均年齢との兼ね合い
社員の平均年数が比較的高い企業であったりしますと、面談などを行う産業医が若すぎると、やはり「軽く見られる」という傾向にはあったりすると思います。
「頼りになるの?このセンセ」と思われてしまうきらいがあるというのは結構あったりすると思いますので、その点、社員の平均年齢との兼ね合いであまり若い医師を採用しないというケースもあるのではないかと思われます。
以上です。
しかしながら、中には企業として「未経験の方が他でつけた変なクセがなくていい」「若手社員が多いので、若手医師に産業医になってもらいたい」といったところもあったりします。
その点、企業によって求める産業医像は異なると思いますので、常勤産業医になることを諦めてしまうまえに、まずはリクルートドクターズキャリア[PR]などの転職エージェントに相談してみてはいかがでしょうか。