某医師掲示板で、「30代半ばの男性医師、医局に属さず急性期病院で勤務、妻子あり」という方が、「何のために医者をしていますか?」と問いかけていました。
40歳を目前として資産形成もほぼできている状態で、「家族との時間を犠牲にしてまで医師として働く必要はあるのか?」と疑問を感じつつあるようです。
元々、医師を目指した動機も「人より勉強ができるから」であり、医師という仕事に強い思い入れや情熱を持って医師になったというわけではないとのこと。「仕事としてただ医者を選んだというだけ」という言葉に、後ろめたさを感じつつ共感してしまいました。
このドクターは専門医資格を取得し、今なお急性期病院で勤務を続けておられるということですが、私は産業医としてドロップアウトしてしまいました。ですが、もし臨床医を続けていたら、同じことを思いつつ「生活のため、老後資金を稼ぐため」と割り切って勤務をしていたのかもしれません。
産業医として勤務している今も、実はベースの部分はあまり変わっていないというところはありますが、その一方で徐々に考えも以下のように変化しつつあります。
結局は誰かの役に立ちたい
仕事をする以上、対価をもらうために誰かの役に立つ必要があるわけで、それが実感できているかどうかという問題なようにも思います。
自分にとって「当たり前の仕事」をルーティーンでこなしているような感覚になってしまっているかもしれませんが、実はそのことで感謝している人もいるはずです。
モチベーションというのは、決して「大きな仕事を成し遂げる」ということではなく、そういう小さなところの積み重ねで生まれてくるものなのではないか、と私としてはそう最近思うようになってきました。
時には大きな買い物も
資産はあった方が良いのは間違いないですが、その一方で「働き続ける」ということで考えると、「そこまで無理して働かなくても…」と思ってしまいがちです。
その点、家/マンションを買う、高級車を買うといった大きな買い物をするだけでも、「また頑張って働こう」と思えるようになることもたしかだと思います。
無理にお金を使えというわけではありませんが、貯蓄などの資産形成ばかりに目を向けてしまうとモチベーション維持が難しくなってしまいますので、ある程度は「値の張る欲しいものを手に入れる」といったことを考えてみるのもいいのではないでしょうか。
あり余る時間をどうするかという問題
投稿主は現在、忙しく勤務しているため、「家族との時間がもっと欲しい」と思っているかもしれませんが、もしFIREでもして時間があり余る状態になったら、今度は「働きたい」と思うようになるのではないでしょうか。
実際、私も後期研修医を辞めてしばらく自由なドロッポ医生活を送っていましたが、正直暇なことに飽きてしまっていました。ある程度は決まった勤務時間があり、適度に働くということは若い内は特に必要なように思います。
一方で、忙し過ぎると「医者やめたい」という気持ちが湧き上がってきてしまうと思いますので、そこはやはり「適度に働く」ことを模索する必要があるのではないかと思います。
燃え尽きとまではいかなくても、同じ環境、同じ仕事での勤務に飽きがきている、あるいは忙しくて自分の時間がなかなか作れないということでしたら、そこはやはり人生のチューニングとして、転職を検討してみるのも手だと思います。
どのような求人があるのか、まず知りたいということでしたら、リクルートドクターズキャリア[PR]や、エムスリーキャリアの転職エージェントに相談してみてはいかがでしょうか。