40代後半の男性社員で、就業中に頻繁に居眠りしてしまうため、上司が相談に来られたケースがありました。
脳梗塞後の後遺症があるとのことで、そのことによる影響があるのかと主治医に診療情報提供書経由で確認したところ、「そのようなことは考えにくい」とのこと。
そこで次に、睡眠時無呼吸症候群を疑って検査を勧めたところ、本人はCPAPでの治療がイヤだと拒否されてしまいました。そこで、検査だけはせめて実施するべきだと何度か面談をする内に説得し、ようやく検査を実施してもらったところ、精密PSG AHI 30/h程度。本人もその数字に驚いたのか、CPAP導入を受け入れました。
ですが、CPAP治療を開始し、AHIは良好…にも関わらず、至って居眠りは改善されませんでした。とうとう、上司の訴えもあり、問題の社員は別の部署に異動となりました。
異動先ではどうか…と言いますと、すっかり居眠りをしなくなりました。どうやら、前の部署では、入職当初はいくつか仕事を任されていたようですが、ミスも多く、おまけに居眠りをしているので次第に仕事は任されなくなり、結果として単純作業のみが残ってしまい、その業務に飽きて眠ってしまったと判明。
現在の部署では、コミュニケーション上手な上司の下ということもあって、今やその部署にすっかり溶け込んでいました。また、仕事も単純作業だけでなく、複数の業務を担当するようになり、居眠りはなくなったようです。
やはり環境、上司・同僚というのは合う・合わないが如実に現れますね。当然、居眠りした本人が悪いのは明白ですが、今回は「異動」が特効薬だったケースとなりました。