労働衛生コンサルタント試験「口述試験」では、基本的には「リスクアセスメントの手順について説明してください」「許容濃度と管理濃度の違いを説明してください」のような問題が数多く質問されます。
こうした問題は対策が立てやすいのですが、中には答えに窮する「ちょっと厄介な応用問題」が存在しています。要は、定義の丸暗記などでは対応が難しい問題ですね。
今回の記事では、そんな応用問題について紹介してみたいと思います。
1) 古くなった工場を外部業者に委託して取り壊そうとする時、注意すべき点は?
こちらに関しても、「え?どんな工場なわけ?」と思ってしまったりすると、そこで考えが止まってしまう可能性がありますね。急に出題されたら戸惑う受験者も多いでしょう。
どのようなリスクがあるのか想像を働かせ、考えていくしかありません。
・アスベストの吹き付け箇所など、石綿含有建材の有無
・使用していた化学物質についての連絡、注意事項の伝達
などについてはぜひ伝えるべきですね。その上でどのような対応・対策をとるべきなのか、といったことを説明することが求められると考えられます。
2) 第1管理区分にも関わらず、有所見者がいる場合どうすべきか?
作業環境測定の結果、第一管理区分と判断されているにも関わらず、有所見者がいる…おそらく工場勤務経験のある産業医の先生方にはなじみのある事象かもしれませんが、経験のない受験者にとっては、「え?だって第1管理区分なんでしょ?」と思い、戸惑う問題かもしれませんね。
この問題は、私自身も出題されましたが、以前、同様の質問をされた方がいて「ああ、こんな問題が出題されているんだ」と知っていたため、なんとか切り抜けることができました。
さて、この質問、どう答えますか?回答例については、「作業環境測定で第I管理区分にもかかわらず特殊健康診断で有所見者が出た場合の原因はなにか」に掲載しています。
3) コンサルタントとして、「対策するためのお金がない」と言う事業者をどう説得しますか?
これも実は頻出です。コンサルタントとして実際に活動している場合、このような場面には実際に遭遇するということなのでしょう。
対策を提案することはできても、会社が捻出できる費用をはるかに超えていては全く意味がありません。「できるところから」実践するという視点も重要であると考えられます。
では、コンサルタントとしてどのように説得しますか?
3) の問題の回答例については、拙著「まずはこれだけ!労働衛生コンサルタント口述試験対策問題集: 必須の41問」に掲載しています。
出題されるパターンは、実は結構決まっています。できるだけ多くの過去問、想定問題に触れておきたいところです。
「まずはこれだけ!労働衛生コンサルタント口述試験対策問題集: 必須の41問」以外にも、
ここがポイント!2018年 労働衛生コンサルタント口述試験対策
もぜひご参考にしていただけると幸いです。