非常勤で週1回の頻度ですが、外来で診療しておりますと、様々な患者さんがいらっしゃいます。お子さん連れの患者さんで、診療部屋で一緒に入ってきた兄弟がケンカを始めたことや、「日本語喋れます」と自ら言っていた患者さんが、症状を話す際、途端に母国語(非英語圏)になってポカーンとしてしまったり、聴診中にも延々としゃべり続けるおじいちゃん…などなど。バラエティの富んだ方々がいらっしゃいます。
そんな中、微笑ましいというよりは、「ちょっとゾッとする」エピソードなのですが、診療中、無断で「ICレコーダで録音」される患者さんがいらっしゃいました。年齢は私よりも10歳くらい上の中年男性です。
たとえば、何度か診ていた患者さんで、「診療に納得いかない」ということで録音するなら分かるのですが(それでも無断録音はダメでしょうけど)、その患者さんは全くの初診。胸ポケットにICレコーダを忍ばせており、電源がオンになっている状態でした。
そういう患者さんですので、逆ギレされる可能性もあり、さすがに、「なに録ってるんですか」と、指摘できませんでした。そのため、検査結果、考えうる診断、治療、治療に伴う副作用などを「当たり障りのない言葉」を選んでお話させていただきました。
それを何に使うかは分かりませんが、そのような患者さんもいるということは知っておいた方が良さそうですね。それ以来、私も患者さんを診察する際には、より一層言葉に気をつけるようになりました。
無断で音声を録音すること自体もアウトでしょうけど、さらには音声を無断でネットにアップされでもしたら…と思うと、恐ろしいものです。やんわりと注意できたりしたらいいんでしょうけど、なかなか言い出せないものなんですよね。