若手医師が「あえて次を決めず」に退職して休む期間を作る「キャリアブレイク」を行うことでのメリット・デメリット

一時的に離職、あるいは休職をして休むための期間をとるということを「キャリアブレイク」と言うそうです。転職をする上で、「ちょっと次を決める前に、一息入れて今後のことを考えたい」というタイミングでこうしたことを考えるようですね。

この「キャリアブレイク」、転職や転科を考える若手医師もやってみようかな、と思うかもしれません。現に、私は「次が決まらなかった」という理由で、あえてでは全くなく、「キャリアの空白期間」を作ってしまいました。

そのような立場からまず、「キャリアブレイク」のメリット・デメリットについて考えてみました。

メリット1 じっくり考えることができる

やはり一番のメリットとしては、忙しく働くということがなくなるので、「将来について」「自分と向き合う」「家族と向き合う」時間が増えます。なので、今まで考えられなかったこともじっくり考えることができると思います。

忙しさの中に身を置いていますと、転職するにしても「自分は結局、何をしたいのか?」「どのようなことを今後したいのか?」ということをじっくり考えることが難しく、ついつい「年収はこれぐらいで、少なくとも今よりはゆったり働きたい…」といったことを考えてしまいがちです。

だからこそ、近視眼的なモノの考え方ではなく、今後の中長期的なキャリアプランについて改めて考えたい、ということがしやすいということは言えると思います。

メリット2 疲弊した心身の回復

このメリットは私自身が感じたことですが、疲れ切ってしまった心身がリフレッシュされていくのを日に日に感じていました。「まずは休む」ということはやはりまた新たに働きはじめる上では重要なことだと思います。

ただ、しばらくすると「同期はみんなしっかり働いてるのに、私だけ取り残されてる…」と焦りだしてしまうこともあります。なので、特に若手医師にとっては、この「回復のための期間」はさほど長い期間をとってしまうと逆に不安になってしまうのではないか、とも思います。

実体験で言うと、1~2ヶ月経過してくると「焦り」を感じて辛くなってきます。ですので、期間を決めて、しっかりと休む時間を作るというのはいいですが、それ以上長くなると辛くなってしまうかもしれません。

デメリット1 転職への影響

上記のような「焦り」を感じてしまうと、求人を選ぶタイミング、あるいは入職を決めるタイミングなどで「焦り」が邪魔をする可能性があります。「良い求人がないなぁ…でも、いいや。背に腹は代えられない、ここに決めてしまおう」と妥協に妥協を重ねてしまう可能性があります。

特に、貯蓄や働いていない期間などにもよりますが、経済的に追い詰められた上で転職を考えると、この焦りは強くなります。結果、悪影響を及ぼしてしまうという可能性はあります。

また、「空白期間」を肯定的に捉えてくれるところはいいですが、あまり退職からの期間が長いと、「なんだ?今さら自分探しか?」「メンタル弱い人で、なかなか働けなかったのか?」と否定的に考える採用担当者はいると思います。

しかもまた、履歴書にはその「空白期間」が残り続けるので、転職のたびに「この期間は何をされていたんですか?」と質問をされる可能性があり、その点もまた悩ましいところだと思います。

デメリット2 「リセット」癖がつく可能性

転職して働き始めて、やはりしんどいと感じる場面は多くあると思います。その結果、「やっぱり無理だわ…また退職してしばらく休むか」と思ってしまう可能性もあるのではないでしょうか。

幸か不幸かはわかりませんが、医師ですとある程度の金銭的な余裕はあるでしょう。その結果、「貯蓄もあるし、しばらくはバイトで食いつなぐか」というふうに思ってしまう可能性もあるでしょう。

転職を繰り返してしまう、「リセット」癖があるドクターになってしまうのはやはり避けるべきであると思います。ですので、あまり「キャリアブレイク」を多用してしまうのは避けるべきであると思います。

以上です。
私自身、「やむを得ずキャリアブレイク」をした立場ですが、その自分からしても、キャリア上、メリットよりもデメリットが大きいため」「キャリアブレイク」はあまりおすすめできないかな、と思っています。

できるかぎり、今勤務しているところで働いていて、大変なことは分かっていますが「次を決めてから退職する」という転職の方法をまずは考えるべきであると思います。もうそれすらできない、「もう心身ともに限界」ということでしたら、まずは休職をすることを考えることも手です。

また、キャリアや今後の進路で迷っているようでしたら、まず家族や近しい人に相談をしてみるということも手だと思います(今の勤務先に少しでも関わっていそうな人は避けるべきですが)。あるいは、「まだ転職をそこまで本気で考えてはいない」という段階であっても、リクルートドクターズキャリア[PR]などの転職エージェントに相談をしてみると、「実は自分はこう思っていたんだ」と自分の本心が見えてくることもあります。

実際、私はエージェントに話をして転職することを決めました。迷っているようでしたら、まずはご相談していただくのもよろしいのではないでしょうか(ドクターのサービス利用は無料ですし)。

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