1ヶ月ほどうつ病で休職した社員が復職するということで、1日をどのように過ごしていたのかという「生活活動表」を記してもらいつつ、会社に定時までに出勤してもらう「通勤訓練」を実施することになりました。
生活活動表では、夜寝ることができていて、なおかつ起床時間も一定。さらに日中も散歩したり勉強をしたりと、活動量もまずまずなようでした。通勤訓練も毎日できており、2週間やりきりました。
「では、復職を」ということになりましたが、その社員、すぐにまた再休職してしまいました。私としても「え?生活リズムも整っていたし、通勤訓練もできていた。復職にあたっては業務負荷も軽減してもらったし…なぜ?」という思いでしたが、まもなくしてあることが判明しました。
それは、「昼夜逆転が直らず、生活リズム表にウソを記載していた。さらに、ほぼ夜通し寝ずに出社して通勤訓練を行って、順調であると見せかけていた」ということでした。
出社後、図書館やカフェなどに行って勉強していたというのもウソであり、すぐに家へ帰って横になって寝ていたとのことです。まさに本末転倒とはこのことであり、「しっかりと生活リズムを整えた上で通勤訓練をやらないと意味がないですよ」と注意し、またしばらくの再休職後に復職を目指すということになりました。
「患者はウソをつく」ということで、話を聞く際にある程度は疑ってかかるのも必要とは思っていましたが、「社員もウソをつく」と思って、「本当に順調に通勤訓練などが行えているのか」といったことを確認する必要があるのだと思い知らされました。