産業医の職務内容から考える「産業医って割のいい仕事?」という質問への回答【産業医転職】

産業医の職務内容としては、大別すると以下の4つが挙げられます。

1) 健康診断、面接指導等の実施及びその結果に基づく労働者の健康を保持するための措置、作業環境の維持管理、作業の管理等労働者の健康管理に関すること。

2) 健康教育、健康相談その他労働者の健康の保持増進を図るための措置に関すること。

3) 労働衛生教育に関すること。

4) 労働者の健康障害の原因の調査及び再発防止のための措置に関すること。

産業医について その役割を知ってもらうために

1) に関しては、健康診断の就業上の判定および受診勧奨、それに伴う就業制限についての勧告などが挙げられると思われます。また、健康相談での面談、復職にまつわる面談(復職可否についての判定、フォローアップ面談)、長時間勤務者を対象とした面談やストレスチェック後の面談といったものも挙げられるでしょう。

「作業環境の維持管理」ですと、職場巡視やそれに伴う改善指示、「作業の管理等労働者の健康管理」には、特殊健康診断の判定なども該当すると思われます。

2)3)ですと、安全衛生委員会、講話などで行われることもありますね。4) については、労災に関する調査および再発防止のための指示などが含まれるでしょうか。

産業医勤務の実際

具体的な業務内容としては上記なようなものになり、産業医の職務のウェートを占めるのは、やはり健康診断の判定および受診勧奨、面談が主なものになるかと思われます。なお、安全衛生委員会および職場巡視は基本的には「月1回以上」となっています。

さて、こうした業務内容を踏まえて、「産業医って割のいい仕事?」という質問に立ち返りますが、これはやはり「企業の大きさ」「産業医としての適正」によるといった部分が大きいと思われます。

健康診断の判定業務を例に挙げますと、やはり大企業で社員数が多くなりますと、その分健康診断の判定件数が多くなり、「毎月、延々と判定を続ける」ということになります。一方で、1000人程度の社員数ですと、4月ないし10月近辺の判定が多くなる程度で、2~3ヶ月集中的に判定して終了、ということが多いと思われます。

面談の件数についても、やはり大企業だとそれなりの件数がコンスタントに毎日のようにありますが、小規模の事業所ですと、さほど連日のようには面談がないということもあります(実際、フォローアップをどの程度行うかによっても異なりますので、ここはどこまでやるかにかかってきますが)。

年収と勤務量について

年収については、年齢、経験年数、勤務日数によっても異なってきますので、なんとも言えないところですが、やはりここも「企業によってどの程度、保健・安全衛生分野に力を入れているか」によっても異なってくるといったところです。ただ、求人を見ていますと、おおよそ1000~1200万円のレンジの中にあると思われます。

実際、小規模なところですと、勤務日数、時間が少なく、週3日勤務・1日6時間勤務といったところもあります。その分、年収面では当然下がります。

ということで、一概には言えず、「やや忙しい企業での勤務でもあり得る、その分、給与面では厚遇が期待できる」というところでしょうか。ただ、ほぼ残業もなく、土日祝日勤務などがない点は勤務医に比べてメリットがあると言えるでしょう。

…と、ここまで具体的な勤務内容と年収などについて触れてきましたが、私としては十分、割のいい仕事かな、といった印象です。ただ、こうした業務にどの程度やりがいを感じられるか、続けられるかといった部分は、やはり適正といったところにかかってくるかと思われます。

もしこうした産業医業務にご興味をお持ちのドクターがおられたら、ぜひ産業医となることをご検討いただければと思います。その際には、私も転職のたびにお世話になっておりました、人材紹介会社の「リクルートドクターズキャリア[PR]」「エムスリーキャリア」にご相談されてはいかがでしょうか。

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