常勤産業医に転職する際、誰しも「最初は未経験」であるわけです。ですが、そこには「一社目の壁」があるわけで、経験者と比べると転職が難しいという現実があります。
企業側としても、やはり「ある程度の経験があって、即戦力になる産業医」の方をできれば雇いたいわけであって、そこで「未経験の産業医を雇う」場合には、なんらかの理由があるはずです。
では、私の場合はどうだったかと言いますと、一社目の転職では、振り返ってみると次のような要因があったように思います。
要因1 勤務地の問題
未経験の私を採用してくれた企業は、都心からも大分離れており、お世辞にも「アクセスの良い場所」ではありませんでした。かつ、最寄り駅からも大分離れており、転職希望者ももしかしたら敬遠したのかな、と思う立地でした。
応募者が少ない、ということであれば、それは企業側からしても条件を多少ゆるくしていく必要があり、「未経験でも検討可(経験者優遇)」「未経験でも可」といった形での採用にならざるを得ないということもあると思われます。
しかも私は「会社の近くに引っ越しをするつもり」ということを採用面接で言っておりましたので、このあたりも「通勤費用を安くできるぞ」という点で、採用においてプラスに働いたのかもしれません。
要因2 医師経験年数
産業医の採用において、企業側が「若手医師(30代)を希望」と条件にしている場合があります。
この理由としては、2つ考えられます。一つは、「若手の方が長く働いてくれる可能性があり、採用コストがかかりにくい」ということ。そして、もう一つは「医師経験年数が少ない方が、年収を低く抑えられる」ということです。
この点、私は30代前半の若手でしたし、さらに前職である後期研修医の年収を基準にして年収を提示したので、かなり「コストを抑えた形」での採用が企業側としてはできたのではないか、と思われます。
要因3 人事側の思惑
入職して気付いたのですが、人事部の課長が親会社から出向してきていたということもあり、かなり「自分主導で何事も進めていきたい」という方でした。
そのため、「御しやすそうだな」ということで未経験の私が採用されたということもあったのかな、と今、振り返ってみると思います。

以上です。
逆に言えば、「通勤エリアをある程度広げてみる」「希望条件をやや控えめにしてみる」「企業側の思惑に合致する人物を演じてみる」といったことをしてみることで、未経験であろうとも採用確率を上げることができるのかもな、と思ったりもします(私の事例で言えば、ですが)。
「未経験で、なかなか産業医への転職ができない…」という場合は、少し上記の要因を参考にしてみてはいかがでしょうか。また、リクルートドクターズキャリア[PR]や、医師転職ドットコム[PR]
などの転職エージェントに相談してみると、「あ、その発想はなかった」という思わぬ求人の選び方を提案してくれることもありますので、まずは相談からしてみてはいかがでしょうか。

