休職前のトラウマを「忘れる」ことも大事な復職準備【産業医マニュアル】

顧客からのクレームや、上司との関係悪化で休職に追い込まれてしまった社員さんは多いですが、そうした方々に結構共通するのは、休職前のことをずっと引きずっているということです。

復職直前の面談や、復職後のフォローアップの面談であっても、ずっと「クレームが…」「パワハラが…」と語り続けます。

たしかに、それほど辛く苦しい記憶であるというのは分かりますが、産業医として話を聞いてますと、まるで自傷行為を行っているかのように見えてしまいます。

ふいに夜、思い出して眠れなくなったり、休日中に思い出してその日一日、ずっと鬱々とした気分で過ごすこともあるようです。

そのため、復職に当たっては「休職前の辛い記憶を忘れることも大事な復職準備ですよ」と伝えるようにしています。たとえ不意に思い出しても、そのことを考え続けないようにすることを勧めたりと、努めて「忘れるように」していただいています。

考え続けても、折り合いをつけることは難しいと思います。だからこそ、忘れる、考えないことが必要なのではないでしょうか。

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