医局を離れた後、非常勤として幾つかの病院を掛け持ちして働く…いわゆる、フリーランス医師ですが、そのような生き方・働き方に憧れる先生もおられるかと思います。
なんと言っても魅力は高い報酬であり、常勤の時とは比べられないくらいの給与をもらえます。時給で1万円以上、平均して1日5~10万円程度の報酬をもらえるところもザラです。土日しっかり休んで、単純計算で、年収2,000万円を超えるといったことになるわけですね。
こうしたフリーランスとしての生き方を選択する場合、デメリットも当然あり、失敗に終わる可能性もあります。どのようにすれば成功できるのか、以下にそのポイントを書いてみたいと思います。
1) 不安定な生活、貯蓄は十分に
額面だけをとらえれば、フリーランスの医師は常勤医より稼げると言えます。ですが、「いつ仕事がなくなるか分からない恐怖感」というのは、常勤医よりも大きいというのは当然のことだと思います。
常勤医であれば、病気になって休む、家庭の事情があって休む、といったことも「仕方のないこと」と許容可能でしょうが、フリーランスであれば、そのような点はあまり考慮されません。よっぽど人員不足であれば、そのようなことはないと思いますが、クビとなる可能性が出てくるわけですね。
「自由に自分の時間が作れる」といったことは幻想であり、不安定な生活であることをしっかり認識し、もしものときのために、貯蓄を十分にしておくことは重要ですね。
2) 勉強の機会を持ちましょう
常勤医ですと、MRさんが最新情報を持ってきてくれたり、職場の勉強会・学会に行くといった機会も半強制的にあったりします。ですが、フリーランスになりますと、自分でそういった機会を作り出す必要があります。
そのため、積極的に医師会などが開く勉強会に参加したり、時間を作って学会に出かけるといったことを行うといったことをすると良いのかもしれませんね。また、非常勤に行く病院として、大学病院など、刺激を受ける施設を入れておくと、自然と勉強になるのではないでしょうか。
3) 勤務先の信用を大事に
常勤医であれば、患者トラブルなどの問題が起こると、上司などのサポートやフォローがあったりしますが、非常勤医師であると、どうしても個人の責任が大きくなりがちです。そして、そうしたトラブルを起こしたという噂は広まるもので、「他の病院などで雇ってもらえない」といったことが起こりえるかもしれません。
できるだけ患者さんや医療スタッフに親切・丁寧に接するようにし、問題を起こさないといった姿勢が、常勤医以上に必要になると思います。フリーランスになるということは、そうした責任をしっかりと追う、自己責任が大きくなる、ということは認識しておきましょう。
以上です。
まずは、バイトが許されているならば常勤医のうちに「医師バイトドットコム」などでバイトをしてみる、というのも手ですね。それで好感触を掴めれば、フリーランスへの転職、というのもありなのではないでしょうか。