初めて産業医に転職する前、なかなかその転職活動が上手くいかず、いろんなことを「誤解」していました。「きっと、転職が上手くいかないのは…」と、その誤解のせいにしていたわけです。
しかしながら、転職して実際に産業医として働きだして、「あ、なんだ誤解だったんだ」と気づきました。もし「これから転職活動を」という方がいらっしゃって、「でもな…」と誤解を引きずったままでは、転職活動自体に影響が出てしまう可能性もあると思います。
そこで今回、そうした「誤解」はないので、しっかりと転職活動に取り組めば、不利となることもなく入職できるということをお伝えできればと思います。
「精神科医ではないから…」不利という誤解
産業医の業務として、「メンタル不調者の対応」というものがあり、重視している企業も多いのも事実です。そのため、「自分は精神科じゃないから不利なんじゃなかろうか…」と誤解されている方も多いのではないでしょうか。
実際、私も元内科医であり、「精神科医じゃないと、やっぱり産業医になれないのかな」と思っていました。しかしながら、内科医であっても産業医になれているわけですし、その上、3回も転職できています(決して誇れることではないですが…)。
また、以前には常時、常勤産業医4名(東京3名、関西1名)在籍していた企業に所属していましたが、そこでは元産業医というのは1人だけでした。元・眼科医もいれば、元・消化器内科医もいたわけで、精神科医がほとんどということもありません。

中には「精神科医を採用で優遇する」というところもありますが、そうした企業ばかりではありません。基本的には、何科であろうがチャンスは平等であるとお考えいただければと思います。
産業医科大学出身者ばかり
私は地元の国立大学出身ですので、産業医科大学出身者ではありません。ですので、初めての転職前は「産業医科大学出身者ばかりなんだろうな…」とぼんやりと思っていました。
ですが、入職してみて分かったことですが、産業医科大学出身者はほとんど見かけたことがなく、同僚にもおらず「一人だけ会ったことがある」というレベルです。
後々気づきましたが、当然、産業医科大学1校に対して、全国に医学部があるわけです。比率で考えれば、圧倒的に「産業医科大学以外の大学出身者が多い」のは当然と言えば当然であると思います。

また、「産業医科大学出身者だから優遇する」といったこともないと思いますので、このあたりも「チャンスは平等」とお考えいただければと思います。
経験がないと、コネがないと産業医になれない
よほどのコネがあって、企業に口を聞いてもらえる知人がいたり、医局経由で推薦してもらえたりと、そんなことがないと産業医未経験では入職できないなんてことも私は転職前に思っていましたが、それも誤解です。
実際、私も未経験の頃があったわけで、それもコネがあって口を聞いてもらえたわけではありません。3回の転職いずれも、エムスリーキャリアや、
リクルートドクターズキャリアといった求人紹介会社経由で求人を紹介してもらいました。
ですので、「未経験だし、コネがないと転職できないのかな…」などとは思わないほうがいいですし、「なれるはずだ」と思ってぜひ転職活動をしていただければと思います。
なお、私は「産業医になろう: コネなし・未経験の勤務医が産業医になるための方法論」という本を電子書籍で出版しており、未経験で、なおかつコネもない状態でどのように転職活動をすべきか、そのコツについてまとめております。ご興味がございましたら、ぜひお読みいただければと思います。

