産業医として働くのは、常勤で「週4~5」で勤務するというだけでなく、「非常勤でバイト」として働くこともできます。実はこうした働き方にもメリットがあると私としては思っています。
私のように、「もう臨床医は無理だ…」と思って、追い詰められるように次のキャリアを考えなければならないという人ばかりではないでしょうから、なにも「いきなり常勤産業医で転職を」ということを選択しなければならないということもないでしょう。
そこで今回は、常勤産業医で転職するという前に、まずは「嘱託産業医でおためし」する3つのメリットについて書いてみたいと思います。
「おためし」によるメリット
まず第一のメリットとしては、嘱託産業医として働くことで、産業医の仕事を「おためし」することができます。これは「いきなり常勤で働くのは、産業医の仕事が自分に合うかどうか分からないから不安」という場合の取っ掛かりになりやすいと思います。
「そもそも産業医の仕事って、臨床と違って接点がなくてイメージが湧きづらい」「まだまだ臨床も続けていきたいけれど、産業医もやってみたい」「臨床医からのセカンドキャリアとして考えているけど、常勤でやるかどうかは迷う」というようなケースでは、「まずは非常勤でおためし」というのはおすすめできると思います。
嘱託産業医で「経験を積む」メリット
次に第二のメリットとしては、「常勤産業医」として仕事を得やすくなる、ということがあります。嘱託産業医であっても、「産業医経験」として捉えてくれる企業も多く、その点は「未経験」の状態よりもアドバンテージがとれることになります。
産業医のキャリアとしては、「経験のある/なし」というのが結構大きい部分があります。その点、転職活動で未経験では阻まれてしまうようなケースであっても、もしかしたら内定をもらえる可能性もあります。
逆に言えば、常勤産業医の転職活動がなかなか上手く行かない場合は、「まずは嘱託産業医で経験を積んで、転職活動に再挑戦してみる」というのも手です。嘱託産業医の方が求人数も多く、また採用する側のハードルも常勤と比べて低くなる傾向もあるため、未経験であっても採用してもらえる可能性は高いと思います。
「失敗」した時のダメージ軽減
第三のメリットとしては、「失敗した時のダメージが少なくて済む」という点があります。私自身、初めて常勤産業医として勤務をした時は、とにかく失敗続きで、至らないことも多かったです。結果、2年で「契約打ち切り=クビ」となってしまいました。
そうなりますと大変です。常勤として勤務する先を失うわけですが、まさに「大ダメージ」です。一方、嘱託産業医であれば「バイト先が一つ減る」だけでダメージも少なくて済みます。
失敗しがちな初めての産業医勤務だからこそ、「まずは嘱託産業医で勤務」することはダメージが少なく済むのでメリットがあることだと言えます。
求人紹介を行っているエムスリーキャリアや、
リクルートドクターズキャリアは、常勤産業医だけではなく、嘱託産業医の求人掲載も行っています。求人をお探しということでしたら、まずはご登録の上、紹介をしていただいてはいかがでしょうか。