産業医の転職活動において、採用面接対策は非常に重要です。勤務医の転職活動も最近は変わりつつあるようですが、「採用面接なんて、どうせ顔見せ程度だろ」なんてたかをくくっていますと、痛い目に遭います。
書類選考を経て、一次面接、そして二次面接と、しっかりと時間をとって質疑応答をすることになります。それこそ、あまり準備していなかったり、不意をつく質問をされると、「うっ…」と言葉に詰まってしまうなんてこともあります。
また、相手は何十、何百と採用面接を繰り返してきた人事の採用担当(二次面接では、部長~役員クラスも出てきます)であることも多く、やはり付け焼き刃ではすぐにメッキが剥がれること請け合いです。
そこで今回は、「採用面接前に最低限準備しておきたい質問対策」について書いてみたいと思います。
産業医の志望理由
「どうして産業医になろうと思ったんですか?」という質問は、ほぼ100%質問されます。そもそも「ほとんどの医師が臨床医をやっている中、どうして産業医になろうと思ったのか?」と企業側も気になるところでしょう。
また、あんまり浅はかな理由ですと、「急に『産業医やーめた。臨床医に戻るわ』なんて言われたら困る」と企業側もなるわけなので、そこはしっかりと「理由」を用意しておきましょう。

「勤務医より楽だし、割がいいから」なんて回答してしまったドクターもいるようですが、これは当然NGです(笑)
内科系のドクターなら、「外来診療を日頃していて、生活習慣が元で、本来は予防できて、ならなくていい病気に苦しめられる患者さんを多く診てきました。受診勧奨や保健指導をしっかり行うことで、そのような患者さんを一人でも多く出さないようにしたいと思っています」なんてことでもいいと思います。
あるいは精神科のドクターであれば、「日々の診療の中で、働く上で多くのストレスを抱えて、メンタル不調となり、休職を余儀なくされている方を多く見てきました。そのような方をサポートし、できるだけ休職に至ってしまうような人を少なくしたり、復職支援を行いたいと思っています」といったことになるでしょうか。
日々の診療の中で、どのようなところで産業医と接点があるのか、どのようなことをするために産業医になりたいのかということを説明すると回答しやすいと思います。
産業医としてのスタンス
「産業医として、あなたは企業・社員にどう関わっていきたいと思いますか?」と質問されることがよくあります。この質問の意図ですが、やはり企業側としては「社員側にばかり肩入れして、企業側の言い分も聞いてくれないようでは困る」ということもあるからだと思います。
そこで、「あなたは企業と社員の間で、どの立ち位置に身を置くつもりですか?」と聞いているわけですが、基本的には「公平に、両者の言い分をしっかりと把握した上で判断していきたい」というような回答が無難かなと思われます。

産業医でもここの回答は分かれて、中には「9:1の割合で、企業側につく」と答える人もいます。
業務に関わる質問
企業側から、「弊社はメンタル不調者が多く、そうした社員に対応はできそうですか?」と質問をされることがあります。
産業医の経験があれば、「現在もそうした対応をメインでやっており、問題なく対処可能です」と答えることができると思いますし、精神科のドクターであればもちろん本業ですので、「今まで培った知識や経験を踏まえて、対応可能だと思います」といった回答ができるでしょう。
ですが、内科医であった場合どうでしょうか。これは結構困ってしまうのではないでしょうか。そこで「できます!」と断言しようにも、「その根拠は?」となってしまうでしょうから、「今後、先輩産業医や人事労務担当者の方々にご相談させていただきながら、学んでいきたいと思います」と素直に学ぶ姿勢、アドバイスを聞く姿勢を示すことが無難かな、と思われます。
やってはダメなNG回答
転職をするとなると、「すでに働いている人たちの中に入っていく」ことになります。ですので、すでに働いている他の産業医や保健師たちと「上手くやっていく」ことができるかどうかというのは大事なポイントです。
ですので、独善的や一匹狼タイプであるというイメージを抱かせてしまうのは得策ではありません。

あえて、「医療者じゃない社員たちの中で働くことになりますが、ご勤務いただけそうですか?」と質問する企業の面接担当者もいます。他にも、「保健師たちとも尊重し、協調して働けるかどうか」というところもしっかり見られていると思った方がいいです。
以上です。
採用面接は、やはり慣れていないと失敗することも多いですし、上手く答えられずに落ち込んでしまうということもあるでしょう。
だからこそ、「どのような質問がされやすく、どう答えるべきか」というのを転職エージェントにしっかりと相談しておくことがオススメです。しっかりと打ち合わせをしてくれて、面接にも同行してくれるエムスリーキャリアや、
リクルートドクターズキャリアといった求人紹介会社がオススメですので、まずそちらから求人紹介を受けることから始めてみてはいかがでしょうか。

