コネなし・未経験の勤務医が「産業医になる」上で意識したい3つのポイント

私が後期研修医をドロップアウトし、さらにはいわゆるフリーター=ドロッポ医になりましたが、そこからなんとか常勤産業医になることはできました。

しかも医局には後ろ足で砂をかけてしまっているような状態で、「企業を紹介してください」と頼めるわけもありませんでした。その上、「こんな産業医志望の医者がいましてね…」と企業に紹介してくれる顔の効く知人もいませんでした。

要は、「コネもなし、産業医の経験もなし」な状態でした。ですが、そこから産業医になることはできるわけです。そこで今回は、コネなし・未経験の勤務医が「産業医になる」上で意識したい3つのポイントについて書いてみたいと思います。

「地元で求人を探す」発想からの転換

やはりどうしても考えとしては、「地元で求人を探す」ということになってしまいがちです。現に、私も最初は「関東の片田舎で常勤の産業医を」と探してなかなか求人がなく、さらにはあったとしても「書類選考前に門前払い」の状態でした。

その発想は、産業医の職探しでは転換を図る必要があります。それは、「求人の多く集まる首都圏で探す」というものです。

常勤産業医を探している「従業員数1000人以上」の大企業数は、やはり関東の片田舎よりも東京に集中しています。通勤範囲を広げる、あるいは「都内へ引っ越す」といったことが必要かと思います。実際、私も1社目の際には引っ越しをしました。

特に家族がいたりしますと、「引っ越し」という決断はなかなか難しいかと思います。やや電車通勤の距離が長くなることも検討する必要があるかもしれませんね。

「未経験可」の企業の特徴を踏まえる

産業医未経験のドクターも採用が可能ということですと、以下のような特徴があると考えられます。

1) 複数の産業医が在籍していて、指導体制が整えられている。
2) すでに産業保健スタッフの業務がマニュアル化、フロー化されており、保健師のアシストで未経験であろうと業務が可能。
3) 前任者である産業医が、ある程度引き継ぎの期間をとれる。

といったものです。特に、未経験を受け入れられるのは、1)のケースが多く、「他の産業医に教えてもらいながら業務を覚えていく」パターンです。

ですので、基本的には従業員数3001人以上のような企業で、産業医が2名以上いるような大企業が「未経験可」としているところが多いと思います。

私は、2) のケースで採用されました。マニュアルを読み、分からないことは都度、保健師の方に相談しつつ業務を行っていました。ですが、基本的には先輩産業医に教えてもらう1)がオススメだと思います。

2社目以降で希望条件に近づける

1社目からいきなり「希望条件をほとんど叶える」というのは難しいと思います。それよりは、まず1社目は「経験を積んで、仕事を覚え、2社目以降で希望に近づける」ということを検討された方が現実的であると思います。

もちろん、「経験を積むためには仕方ない」と我慢して、買い叩かれた末の入職はオススメしませんが、それでも「勤務医時代より、ちょっと年収は低くなってしまうなぁ」といったことは許容が必要かもしれません。

しかしながら、「勤務医時代は週5勤務→産業医で週4勤務」になることも多く、年収面はバイトでカバーすることも可能だと思います。

その点、エムスリーキャリアや、リクルートドクターズキャリアに求人紹介を受けておりますと、バイトの紹介も同時にしてもらえますので、併せてご相談してみてはいかがでしょうか。

実際、私も産業医求人の紹介とともに、バイト紹介もしてもらいました。臨床のバイトを続けるのは勘を鈍らせない面でもメリットがありますので、ぜひお続けいただくのがオススメです。

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