医師であろうと、「向いていない職場」に留まり続ける必要なんてないと思う理由

産業医として、社員さんと面談をしていると本当に「ストレスって、色んな形で出てくるんだなぁ」と思います。

不眠症状や抑うつ症状は分かりやすいですが、その他にも、「帯状疱疹になってしまった」「アトピー性皮膚炎が悪化してしまった」「慢性的に頭痛に悩まされている」などなど、色んな形で体調不良を自覚されておられます。

私自身も、後期研修医時代は不眠症状に悩まされていましたし、産業医になってからも合わない職場で帯状疱疹になりましたし、切れ目なく何度も風邪を引いていたなんてこともありました。

医師なのに臨床医に向いていなかった私

私は自分自身でも「臨床医(勤務医)に向いていない」と思いますし、実際、後期研修医時代の医長にも「君は臨床医に向いていない」と面と向かって言われたこともあります。

医師になったのはいいものの、結局、「臨床医に向いていない」なんてこともあるわけです。ですが、人それぞれ特性というものがあり、向き/不向きというものがあります。「それはそれとして」受け入れるしかないんじゃないかな、と思っています。

その結果、私は臨床医であることに早々に見切りをつけることができたのでよかったと思います。「あのままずっと、向いていない臨床医を続けていたら…」と思いますと、怖い気がします。

そのストレス、本当に抱える必要ありますか?

ストレスの原因としては、「業務自体が合っていない」「上司と反りが合わない」「忙しすぎる」「患者さんのクレーム」…などなど、いろんなことがあると思います。

もちろん、中には避けて通れない、「キャリアや生活のために、耐えなければならないストレス」というのも存在するかもしれませんが、実際のところよくよく考えてみれば、「本当にこのストレス、抱える必要あるのかな?」というものもあるのではないかと思います。

ただ、闇雲に「耐えなきゃ、我慢しなきゃ」と思い込んでしまうことは怖いと思います。「そのストレスを抱える必要があるのか?」あるいは「この仕事を続けなければならないのか?」と時折、考えてみることは大事なことではないでしょうか。

自分も、同じ職場の人たちも不幸になる可能性

自分がストレスを抱え続けている、大きなストレスを抱えているということは、「自分がその職場に合っていない」という可能性もあると思われます。

たとえば、「患者さんを怒らせてクレームに発展する」「ミスが続いて、上司から叱責を受ける」「自分の仕事のテンポと、周りの人たちとのテンポが合っていない」などといったことがあった場合、自分がストレスを抱える原因が「職場にマッチしていない」ということもあるのではないか、ということです。

もちろん、理不尽なことでストレスを抱える、あるいは誰がどう見ても業務負荷が高すぎる職場というのもあるでしょう。そうした場合を除き、日々ストレスを抱え続けるということは、「自分自身が職場に合っておらず、別の環境を探す」ことも検討すべきではないかと思われます。

私がもし臨床医を続けていたとして、ストレスでイライラとしつつ勤務を続けていたら…それはやはり上司・同僚やスタッフに多大なるご迷惑をおかけしていただろうと思います。

「見切り」をつけるべきタイミング

ですが、たとえ「向いていないなぁ」と思っていても、見切りをつけて転職するというのはなかなか難しいところではあります。ですが、冒頭の話に戻りますが、体調を崩してまで働く必要はないと思います。

体調を崩してしまっている、あるいは何らかの変調をきたしているような場合は、「無理していないか?」「このままストレスを抱えて大丈夫だろうか?」などとしっかりと確認をすべきであると思います。

その上で、「このままじゃヤバイかも…」と思うようでしたら、まずは求人情報を集めるといったことをして転職活動の準備をしてみることも大事だと思います。急に逃げ出そうと思っても、次の場所がなかったらなかなか移動できないものです。

エムスリーキャリアや、リクルートドクターズキャリアなどの転職エージェントに相談をすれば、求人情報を教えてもらえますので、まずはご気軽に相談してみてはいかがでしょうか。

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