産業医の求人を眺めていますと、「55歳以下」といった年齢制限を設けている場合があります。全ての企業がそのような年齢制限をしているわけではありませんが、そうした上限であったり、逆に「30歳以上」といった下限の年齢制限を指定している企業もあります
また、明示はしていませんが、採用の段階で応募した医師の「年齢」を結構気にする企業はあります。その理由について、今回の記事では書いてみたいと思います。
長期で勤務してもらいたいという希望
産業医の採用を行う場合も、人・カネのコストが当然かかります。となりますと、「雇った産業医に長く働いてもらいたい」と企業も考えるわけです。
雇ってはみたものの、「すぐに辞めてしまう」ということは避けたいとなった場合、「60歳近いドクター」と「30代のドクター」の二択だったら、どちらを企業は選ぶでしょうか?それは当然、「若い方が長く働いてくれそう」と考えると思います。

実際、若手ドクターであろうが転職する可能性はあり、長く勤務してくれるかは分からないですけどね(笑)しかしながら、「残りの勤務可能年数」は大事であるということです。
明示はしていなくても年齢制限がある場合
実は求人票に年齢制限を記載していなくても、「○歳以上はちょっと…」と考えて採用を控えるということもあったりします。
これはすでに勤務しているドクターとの兼ね合いの話になるわけですが、たとえば「統括産業が45歳」であった場合、その部下にあたる産業医を「50歳」で採用したとしたらどうでしょうか。やはりその統括産業医はやりにくいと感じるのではないでしょうか。
そのため、明示はしていなくても、採用の段階で「実は年齢制限」を設けているということもあったりするわけです。

産業医が複数いる企業である場合、このようなことを採用担当者は考えていたりします。実際、私も産業医3人体制の企業で、「最若手だから」という理由もあって採用した、と当時の採用担当者から聞きました。
実は若手の方が転職しやすい
上記のように、勤務可能年数が長く、既に働いている産業医との年齢上での兼ね合いで、若手を雇いたいという企業もあります。
あるいは、

にも書いておりますが、企業にとって「年齢が若く、経験年数が少ない=年収(コスト)を安くできる」というメリットがあります。そのため、産業医を雇う上でコストを抑えたいという企業であれば、「経験に乏しくてもベテランより若手産業医を雇う」ということも可能性としてはあります。

私が産業医になる前は、転職活動の時に「こんなコネもなく、未経験で若い医者、どこの企業が雇うっていうんだろう…」と悲観的になっていましたが、実はそんなことはなく、若手にもチャンスはしっかりあります。
ですので、未経験であろうが、若手であろうが転職をすることは可能ですので、もし産業医への転職が上手くいっていない、という方であっても諦めないでください。もちろんその逆で、「ベテランのドクターにぜひ来ていただきたい」と望んでいる企業もあります。要はお見合いと一緒ですので、きっと採用してくれる企業もあると思います。
もし現在の転職活動の方法に限界を感じていたら、エムスリーキャリアや、
リクルートドクターズキャリアに登録し、転職エージェントに相談してみましょう。
実際、私も「勤務地のエリアを少し広げてみましょう」と提案していただき、転職活動がスムーズにいった経験があります。一人で悩むよりは、転職のプロにまずは相談する方がいいと思います、ドクター側は無料ですし。