困った患者の「出禁」を含めた対処法-口頭注意・文書・出禁の段階的な方法

開業医・勤務医問わず、「困った患者さん」に悩まされる医師・病院スタッフは多いと思われます。たとえば、何かとつけてクレームを言ってきたり、攻撃的な発言・暴力的な行為に及ぶなど、時には警察沙汰に至るなんてこともあります。

何度注意しても繰り返しそのようなことをされると、診療の妨げにはなりますし、病院の評判にも関わってきます。そこで今回は、困った患者さんの「出禁」を含めた対処法について書いてみたいと思います。

STEP1 口頭注意

問題行動を起こす患者さんにも、何か理由があるはずです。病院側の対応に納得がいかず、迷惑行為に及んでいることもあります。「態度が気に入らなかった」「言動に傷ついた」といったことがきっかけであれば、それをケアしたり謝罪したりすることで、解決が図れることもあるわけです。

まずは話をしっかり聞いて、その上で「このようなことは、今後しないでください」と口頭注意を行います。この口頭注意で済めば、迷惑行為などがないようならば診療を行う、といったことになるわけですね。

STEP2 文書での注意・警告

口頭注意でも改善されないようならば、今度は文書での注意・警告を行います。そこには、「問題を今後も起こすようであれば、外来診療をお断りさせていただくこともあります」といったことを盛り込んでおくことで、単なる注意だけに終わらず、警告も含めるようにするわけですね。

また、文書として残しておくことで、度重なる迷惑行為を受け、それに対してしっかりと注意・警告を行っているのだという証拠にもなります。

STEP3 出禁

文書による警告でも改善されない場合は、「出禁」となります。特定の外来での診療を禁止するか、病院自体を出禁にするかなどといった違いもありますが、これは院内でどうするか話し合って決めたりするといいでしょう。

ただ、救急診療や緊急性のある状態での診療には応召義務があり、「出禁」が難しいことがあります。そのため、できることならば弁護士などに相談されることが望ましいと思います。

以上です。
あまりに悪質で執拗なケースの場合、自分だけで対処しようとすると参ってしまいます。病院スタッフやこうしたクレーマー対策に詳しい方と、ぜひ相談していただいて対処していただければと思います。

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