初期研修医が研修を辞めたくなったときに、考えて欲しい3つのこと

ゴールデンウィークを明けると、五月病となって初期研修医が研修を辞めたくなる時期でもあります。4月はやる気もあり、なおかつ上級医・看護師のの対応も最初は「お客さん」扱いであるため、さほど辛くなかったりもします。ですが、5月に入ると、ややその状況も変化してきます。

採血やルート確保など、まだまだ習熟していないにも関わらず、「できて当たり前」と思われます。患者さんや看護師たちの「まだか?」というプレッシャーの中、さらに失敗すると辞めたくもなりますね。

また、そろそろ朝早く起きて、夜間まで働くことにも疑問を抱く頃ではないでしょうか。大学時代の自堕落な生活が恋しくなりますよね。深夜まで起きていて、昼頃に起き出しても誰も文句言わなかったあの頃の素晴らしさと言ったらないですよね。

そんな現実逃避をしつつ、「初期研修、辞めちゃおうかな」と思っている研修医の方々へのメッセージですが、このままぜひ挫けずに研修終了してください。もちろん、それぞれの置かれている状況はあると思いますので、「その病院で研修を続けろ」ということではありませんよ。どこの病院でも結構です、今の研修先をやめてもいいですから、ぜひあきらめずに研修を修了させましょう。

そのためにも、「辞めたくて、辞めたくて・・・」と思っている先生、まずは次の3つのことを考えてみませんか?

1) 採血やルート確保、苦手でも一人前になれます

採血、ルート確保が得意な先生を見ると、「それに比べて、私は」と思われるかもしれませんが、そんなことで劣等感を感じる必要はありません。医師の本分はあくまでも、診断・治療です。

採血やルート確保が不得意な名医なんて、ゴロゴロいます。そもそも、必ず一定数いる採血しづらい患者さん、ルート確保しづらい患者さんの場合、本人の負担軽減のためにも、ぜひ別の方法を考えてあげてください。もし化学療法を行う患者さんだったら、毎回、ルート確保に難渋するようであれば、ポートの埋め込みなどを考慮・提案してみるなど、一つのやり方に固執する必要はないと思います。

それに、知らぬ間に手技のレベルは上がっていくものです。「今のままだったらどうしよう」などと思って悩む必要などありません。

2) 人間関係の問題

指導医との人間関係の悩みも、研修医にとって大きな問題となることがあります。ただ、考えてください。たった2~3ヶ月の関係じゃないですか。その先生がいつまでも指導医であり続けるわけではありません。

また、度が過ぎた言動や”指導”がある場合は、ぜひ別の上級医に相談しましょう。指導医を代えてもらうといった対応策をとってもらえるかもしれません。悩み続けて「やめてやる!」などと思うよりは、よっぽど良いと思いますよ。

ただ、ご自身にとっても問題がないかは、振り返ってもらったほうがいいですよ。最低限の挨拶や、自分の言動・行動に問題はなかったか、研修に真面目に取り組む姿勢は見せていたかなど、そうした面で反省すべき点は反省しましょう。

3) 研修中断と新たな研修先探し

研修を中断しても、新たな研修先を探し、研修再開することはできます。「一度やめたら、評判が・・・」などと思う必要はありません。

特に、「民間医局」などは研修病院についての紹介に強いようです。ぜひ、登録してキャリアエージェントにご相談して、自分に合った研修先を探しましょう。

もちろん、「研修がハード過ぎてドロップアウト」といったことが原因で研修を中断した場合は、ゆるやかに研修ができる病院を選択するなど、同じ轍を踏まないように気をつけましょう。

以上です。
この時期は特に研修医にとっての最初の山場だったりします。この5月を乗り越え、研修修了を目指しましょう。

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