熱中症予防対策・WBGTについて[労働衛生コンサルタント試験過去問 平成29年度 問8]

【問題】
職場における熱中症予防対策に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。
(1)日射がない屋内作業場でWBGT 値を求める場合には、乾球温度と自然湿
球温度を測定する。
(2)抗うつ薬の服用は、熱中症の発症に影響を与えるおそれがある。
(3)心機能が正常な労働者については、1分間の心拍数が180 から年齢を引い
た値を数分間継続して超える場合は、熱へのばく露を止めることが必要であ
る。
(4)熱へのばく露が中断すると、4日後には熱への順化の顕著な喪失が始まり、
3~4週間後には完全に失われる。
(5)二層の布製の服を着て暑熱環境で作業をしている場合には、求められWBGT 値に補正値を加える。

【答え】(1)

【解説】
職場における熱中症の予防について」などを参照にして答えたい問題です。

×(1)日射がない屋内作業場でWBGT 値を求める場合には、自然湿
球温度と黒球温度
を測定する。

・屋内及び屋外で太陽照射のない場合
 WBGT=0.7×自然湿球温度+0.3×黒球温度
・屋外で太陽照射のある場合
 WBGT=0.7×自然湿球温度+0.2×黒球温度+0.1×乾球温度

〇(2)抗うつ薬の服用は、熱中症の発症に影響を与えるおそれがある。自律神経に影響を及ぼし、発汗調節が働かない可能性がある。

〇(3)心機能が正常な労働者については、1分間の心拍数が180から年齢を引い
た値を数分間継続して超える場合は、熱へのばく露を止めることが必要である。

心機能が正常な労働者においては、
・1分間の心拍数が数分間継続して180から年齢を引いた値を超える場合
・作業強度のピークの1分後の心拍数が120を超える場合
・休憩中等の体温が作業開始前の体温に戻らない場合
・作業開始前より1.5 %を超えて体重が減少している場合
・急激で激しい疲労感、悪心、めまい、意識喪失等の症状が発現した場合
等は、熱へのばく露を止めることが必要とされている兆候である。

〇(4)熱へのばく露が中断すると、4日後には熱への順化の顕著な喪失が始まり、3~4週間後には完全に失われる(「熱中症を防ごう!」参照)。

〇(5)二層の布製の服を着て暑熱環境で作業をしている場合には、求められた
WBGT値に補正値 3℃を加える(「熱中症を防ごう!」参照)。

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